かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜第1話「少年はその日変わった」

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 実はこの作品の原作である漫画(原作 あかほりさとる 漫画 桂遊生丸 電撃大王連載)を単行本で読んでいてファンです。原作者は不安ですが(笑)。
 第1話を観れば判るように本作は、性転換ものと男女恋愛三角関係ものに、百合(精神的にはノーマルですが)をミックスさせたような作品(スパイスとしてSF風味)なのですが、性転換ものやSFの辺りはさらりと流し、基本的には三角関係について特に精神面から細やかに描いている作品であることがお気に入り。原作者であるあかほり風味が各所に見られるのがあまり、評判が良くないようですが……。漫画版は桂遊生丸氏がきっちりと自分の作品としていると感じます。余談ながら桂遊生丸氏は「AIR」の公式漫画版も手がけておられ、こちらも方も基本的にゲーム原作そのままだと思うのですが中々の出来です。

 さて、前振りは兎も角、アニメ版の話を昨年に聞いた時からずっと楽しみにしていた本作。第1話を観る限り結構出来が良さそうなので、取りあえず記事を起こしてみます。続くかどうかは判りませんが。^^;;;;


アバンタイトル

 OPは今回は無しという良くあるパターン。本作の主人公である大佛はずむと神泉やす菜。やす菜が何やら呟いて、女子高生二人が見つめ合い、そしてキス。そしてそれを目撃してしまい衝撃を受けたのは、来栖とまり。百合三角関係作品かよ! …と事前に情報を知らなかった人は驚いたかと。
 原作とは異なり、このアバンタイトルでは台詞がありませんが、そのお陰でより印象的になっていると感じます。

 実は最初観た時、原作の大分先のシーンを構成を変更して冒頭に持って来たのかと思ったのですが、原作でもこのシーンが最初。本作のテーマを序盤で語り尽くしているプロローグですね。

●提供

 本作の真のヒロイン(嘘)。ジャン・プウです。今回は出番はありませんが(いや、本当は出番はあるんですが)。

●異星人来襲

 国際宇宙ステーションよりも遙かに巨大な宇宙船。
 中に乗っていた異星人は、何やらこっそり地球の調査に来たらしい。
 きちんと宇宙語を喋らせている辺りが好印象。
 半島語だとか、台詞逆回しだとかあったのですが、結局真相はどうだったんだろう?

●あ…この下だっけ。やす菜ちゃんと初めてまともに話したの

 東京都鹿縞市鹿縞山。こんなところも「かしまし」なのか。ベタだ…。
 草花の名を言いつつ登山しているはずむ。さっきは女の子だったのに、今は男の子みたいです。いや、男の子なんですが。

 鹿縞高等学校。陸上部で練習している来栖とまり。ツインテールの元気なちびっ娘。どうでも良いですがブルマは正義。
 そして、花壇で何故か悲しそうな表情をしているやす菜。花壇の花は作中でも出ていますがプリムラの花です。桜の花びらということで、春ですか。

 橋の上でただずむのは眼鏡っ娘、摩利あゆき。色々気付いていながら皆まで言わず、時々呟く図星発言が素敵です。
 河川敷を自転車で走りはずむを探しているのは、はずむの親友、曽呂明日太。自転車に本屋の紙袋を入れているようですが。

 関係無いですが本作の登場人物、ネットでの書き込みを読んでいて今頃気付いたのですが、主なキャラは宗教関係が元ネタですね。ゾロアスター教まで出ているとは。^^;;;;

 ……というのは良く見かけた話題だが、某巨大掲示板には、それぞれ名前部分が動作を現しているということらしい。

 はずむ=(胸が)弾む
 とまり=止まる
 やす菜=休む
 あゆき=歩く
 ジャン・プゥ=ジャンプ

 はずむをモデルにしたのでジャン・プゥなのか。納得…して良いのかな。

 ゲーム版でも、f.r.aでついたフォローでは、

>>これから出るらしいPS2ゲームでも八部はねる(CV:高橋美佳子)観音かけ乃(CV:松来未祐)というキャラクターが追加されるそうです。<<

 らしいので、これは確定ですかね。

●あの時と同じ

 斜面を転げ落ちているはずむ。また転んじゃったって、ドジは女の子しか許されません。いや、ラストで女の子になってますが(笑)。
 転げ落ちた場所が、やす菜と初めて出会った場所であることに気付いたはずむ。
 ガーデニング部のはずむは植物採集、やす菜は両親とフキノトウを取りに来ていたのだ。はずむはやす菜にふきのとうの在処を教え、それを切っ掛けにお近づきに。

 はずむに女の子みたいと言うやす菜は、言ってから失礼だったかと気にしますが、はずむ自身、前から女顔だと言われていたようです。
 ちなみに今回、ラストまでははずむは目が髪で隠れた作画となっているので女顔だと言われても。
 原作でも男の子の時には目を見せなかったのですが、向こうを向いていたり、コマ割りで頭の上半分を隠していたりしていたので、頭全体を出さなくてはいけないアニメの方は少し辛い所。
 男であるはずむの顔を描写しない点については、書いてて今気付いたのですが、設定的に意味深だと思います。…と思ったら、各所でそれって何てエロゲの大合唱。そうなのかも……。

●あ〜! うざ、うざい

 学校のとまりの所にはずむが居ないか聞きに来た明日太。神泉の所に行ったのかというとまり。でもやす菜は既に居ません。

 回想シーン。はずむにやす菜に告白するようにけしかける明日太。立ち直りグッズ云々のエピソードはアニメオリジナルだったりします。
 うじうじしているはずむに「うざい」と言い階段を飛び降りて来るとまり。スカートの捲れ具合が素敵です(何も見えないですが)。

●もし駄目だったら、もう友達には戻れないかもしれない

 夕方。橋の上であゆきははずむに、告白することを良く考えた方が良いと言う。もし駄目だったら、もう友達には戻れないかもしれないと。

 「その辛さに耐えられる?」
 「後はあなたの問題よ。大切なのは、あなたの素直な気持ち」

 この辺りのあゆきちゃんの発言は、忠告であるだけでは無いのです。実は。

●あ…あ…ごめんね!

 夕方。花壇の並んで咲いていたプリムラの片方が抜かれています。
 抜いて持ち帰っていたのはやす菜。やす菜も鹿縞山のことを見ていた。
 やす菜は、はずむに告白されたものの、振ってしまっていたのだった。
 何で振ったのかという辺りは近い内に描かれると思います。

 そう言えばプリムラのエピソードはアニメオリジナルです。
 某氏の雑記によれば、01月下旬

 このプリムラ、園芸品種らしいのですが。^^;;;;

●忘れなきゃ、そのために来たのにさ

 傷心旅行なら、何故出会いの地にやって来る? >はずむ

 コンビニであゆきとジュース飲んでいるしているとまり。明日太が来たという話をしていると丁度本人が。
 はずむが見つからないので明日探すという明日太に、何を渡そうとしていたのかを突っ込むあゆき。自転車の紙袋の中に入っていたのは…お約束の美少女写真集が何冊も。

# 秘蔵コレクションかつ遺品のエロ本では無いです。

 原作では明日太は一緒に騒いで忘れさせようとしていたのですが、プレゼントの話に関してはアニメ独自のエピソードです。
 多分、「はずむにこんなもん見せんじゃねー」ととまりに言わせて、彼女とはずむの関係を視聴者に明示したり、あゆむに「はずむ君嫌いでしょこういうの」と言わせるためなんじゃないかと思いますが。

●ボケ突っ込み

 動力ブロックに異常を起こし、地球へと落下していく謎の宇宙船。

 その頃、はずむの家にやって来たとまり達。
 はずむが戻って来ないので泣いている両親。消防署だ、保健所だとぼけたこと言うはずむの父に対して、はずむの母はこういう時は葬儀屋よって……。
 そこに続いてやって来たのははずむ達の担任、月並子。彼氏いない歴35年って…。両親に頼まれて、はずむを探しに行く先生…は、何故か掘られていた穴に頭から転落。はずむが柿の木を植えたいというので父が掘っていた穴らしい。この辺りのギャグシーン、原作通りですがあまり評判が良くないみたいですね。

●また、一人になっちゃった

 鹿縞山で学校の花壇から抜いたプリムラを改めて植え直しているやす菜。元々生えていた場所に戻したと言うことですな。

 はずむとのプリムラの思い出。この辺りの追加エピソードが良い感じです。
 はずむと一緒に植えたプリムラを自分のものだけ元に戻し、また、一人になっゃったと泣くやす菜。

 はずむを振ったやす菜が泣くのは原作と同じですが、原作では泣いているのが自宅で、台詞も違います。原作の台詞をそのまま言うと、ネタバレにつながるような気がするので、ここはこの変更で良いと思います。

●あいつはお前と違って繊細なんだ

 神社にはずむを探しに来たとまり達。はずむが行きそうなところは大体回ってしまったらしい。
 心配そうなとまりに、きっと何処かで思い切り泣いて、けろっとして帰ってくるという明日太に、とまりはあいつはお前と違って繊細だと言います。

とまり「あいつは今、落ち込んで苦しんで一人でどこかを歩いている。そういう奴なん
    だ」

 この辺り、原作と変わっています。原作ではとまりは今頃は鹿縞山を一人で歩いていると推測していたりしたのですが。
 はずむが神泉のことが本気で好きだったんだというとまり。あたしだって告白しろとけしかけていたと。

あゆき「そうすれば、諦めがつくから?」

 このあゆきのとまりへの突っ込みも原作からの改変です。原作でははずむがやす菜に振られたらしいということで、「安心した?」と突っ込みいれています。どちらにしろ、図星だったようで。まぁ視聴者の目にもとまりの気持ちは、最初からバレバレではありますが。

●あ…流れ星

 北米航空宇宙防空司令部で異星人の宇宙船が探知。落下地点は…東京都。全長2,000メートルは原作通りなのですが、それを英語でわざわざマイル換算して話しているのが可笑しい。原作ではそんなに台詞があるシーンでは無いのですが、この辺りのやり取りがきちんとしているのはポイントが高いかと。

 さて、その宇宙船を流れ星だと勘違いして、また良い恋が出来ますようにと願い事をするはずむ。流れ星が流れていないと知ると、今夜のおかずはとんかつを宜しくなんて願っているのに苦笑。こういう奴なのか。

 などと願い事をしている内に迫った宇宙船ははずむに激突。はずむは消滅。

 宇宙船の中ではずむの身体は再生されます。しかし……。

# 最初PCで観ていたので判らなかったのですが、良く観ると随分えっちな絵だ。

●彼は最早彼女

 謎の巨大宇宙船から全地球に対して映像付で、地球人に怪我をさせてしまったため、惑星間生命保護法に基づき自分達が宇宙人であること、地球人に怪我をさせてしまい、組織再生する際に性別を反転させてしまったことが放送される。

 映像に映ったはずむの顔を観て、駆け出すとまり。
 そして、鹿縞山に来ていたやす菜も駆ける。

 宇宙船から降ろされるはずむ。透過光が邪魔ですが、テレ東にしてはここまで頑張って裸出してくるとは思ってませんでした。
 はずむの身体を受け止めたとまりとやす菜。
 とまりの手は、はずむのある筈の無い胸に触れていて…。

 そして、気が付いたはずむは声までも女の子の声になっていた(声優同じなんであんまり変わらないという突っ込みはなしの方向で)。

 唖然とするとまりに対して、やす菜が何となく嬉しそうな表情なのが印象的です。そういう趣味…なのかは次回以降のお楽しみということで。

 実は、原作でははずむが下ろされたのは街中で、しかも服を着ていました。
 なのでアニメの方の事故現場に下ろしてしかも裸というのは、実に良い改変だと思われます。

●ED

 クレジットでEDと紹介されている曲は、次のCMではオープニング主題歌とされているので、次回からはOPに来るのかな。でも、そういう演出にするのなら、第1話タイトルを最後に持って来れば良かったかも。

●次回は

第二話「彼女は彼女である事を自覚した」

 原作第3話辺りまでやっちゃうみたいですな。テレ東なんで下着ちゃんと出すのか心配でしたが(エピソード的に外せないと思うので)、きちんと出すようで安心しました。

●総評

 原作の第1話、同タイトルの話を比較的忠実にアニメ化しています。
 漫画版ではちょっと変かな? と感じた部分が修正されている上、漫画では1ページ内で回想していたやす菜とはずむの思い出をじっくりとアニメ化しているのはポイントが高いです。微妙な台詞の変更もグー。
 作画は漫画版の絵柄をきちんと再現していると思います。声にも違和感はありませんし、原作漫画のファンとしては正直、文句の付け所があまりありません。
 当然のことながら、継続視聴です。願わくば、次回以降も質を維持して欲しいもの。

 本シリーズ、1クールらしいのですが、はずむが結局女のままなのか男に戻るのかもポイントです。あかほりだし、男に戻っちゃうのではと危惧されますが…。